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Lattice in the Lettuce

The monologue of a scientist.

好きな科学者

私の居る部署は研究部門なのだが、開発部門とは少し趣きが違う。普通の化学系の開発というと、とある製品群に対して部門があって、その部員は細分化されたいくつかの個別テーマを数人で回している感じになる。
一方、研究部門や評価部門は開発部門のお手伝いになっていて、彼らと協業するか、一人一人が個別テーマで動くか、になる。
そんな、私と同じ研究部門に居る部員(やってる研究内容はまったく私と違う)が新しいオモチャを買ってもらって、いいなぁ〜と最近思っている。

AES(オージェ電子分光顕微鏡)の新モデルである。2年ちょっと前、TOF-SIMSとともにすごく欲しかった。今は使い道が思いつかずあまりいらないかな。でも新しいオモチャは好きだ。

オージェ電子は、電子線や高エネルギーの電磁波で物体を励起した際、脱励起のエネルギー放出過程で生じる二次電子の一種で、オージェ過程という現象が引き起こしている。オージェ過程を発見したのはピエールオージェだからオージェ電子と名前が付いているが、オージェ電子自体を見つけたのはリーゼ・マイトナーだ。

リーゼ・マイトナー

マイトナーは近代科学史においてもっとも不運な科学者かも知れない。メンデルのように死後認められましたというならまだいいが、女だったので教育を受けるにも四苦八苦し、今でいう核物理学の始祖であり核分裂の発見者なのに功績とノーベル賞はオットー・ハーンに奪われ、結婚しなかったためか知名度もマリ・キュリーにボロ負けという、なんとも悲惨な笑っちゃう人生だったようだ。あまりに可哀想で、結構好きな科学者の一人である。

将来私が何か発見したときには、マイトナー効果、マイトナーの法則とでも名付けてみたい。日本人(自分)の名前はダサいので付けたくない。一応、うちの父の名前が付いてる経験式が世の中には存在するが、正直名称的にとてもダサい。やはり、ナントカメソッドとかナントカローとか言う時は横文字が理想だと思う。

エドワード・テラー

好きついでに書いてみるが、一番好きな科学者はエドワード・テラーである。水爆の父として知られる水爆マニアだが、とっても素直な人物のようで、人間ってこうあるべきじゃないのかな、と思わせてくれる。

まず、トリニティ実験(世界初の原爆実験)で、「なんだ、こんなちっぽけなものか」と発言。作った当人のオッペンハイマーは原爆の威力にビビって、以後反戦論者みたいになるので嫌い。科学者は政治を考えるべきじゃない。

次に、水爆開発でリーダーになれなかったため、キレてロスアラモスを脱藩。ローレンスリバモアを立ち上げて自分好みにする。他人のレールは好きじゃないっぽくてカッコいい。

当時の核物理学者は放射線浴びまくって早死するのが一般的だったが、テラーはとっても長生きした。危ないことは他人に任せる姿勢が良いと思う。

他に

ヒトラーの金でロケット飛ばしまくって遊んでたフォン・ブラウンも好きだ。中村修二もなかなか良い、自分が中村でも日亜と喧嘩する。

が、リアルで他人に訊かれたときはマイケル・ファラデーとか言うことにしている。ファラデーを敬愛する日本人科学者はとっても多い。謙虚だのなんだの虫唾が走るが、まぁあまり過激な事は言いづらいので。