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Lattice in the Lettuce

The monologue of a scientist.

キャンピングトレーラーのメリットとデメリット

巷では肯定的な意見が多いようなので、持ってる人として否定的な話を書いてみる。

メリット
・とにかく車室が広い
・全二重窓が当たり前で断熱性がいい
・本体価格が一見安いようにみえる
・長持ちする(壊れる部分がほとんどない)
自動車税や重量税が安い
・任意保険はヘッド車の保険でまかなえる(保険屋による)
・ジャッキが標準でついてる
・キャンプ地にデポしてヘッドで動き回れる
・使っていない時はキャンプ用品置き場に出来る

デメリット
・駐車場所が極端に限られるため、コンビニやスーパー等ほぼ無理。
ディーゼルハイブリッドのヘッド車限定(日本仕様のガソリン車、ハイブリッド車で引くと燃費が凄く落ちる)
・ヘッド車として300〜500万くらいのSUVが必要
・ヘッド車保険は外資じゃダメ(国内大手との差額は倍額)
・走行中は乗車できない(法律により)
・走行中は荷物が積めない(バランスが悪くなり危ない)
・水は現地近くで入れる事(バランスの問題で危ない)
・グレータンクがついてないので垂れ流し(もしくはポリタン自分で設置)
・発電機が常設できない
・FFがガス仕様標準で日本では大変
・新車時はスペアタイヤすら付いてない(オプション代が高くなる)
・天井が軟いのでルーフエアコンがほぼ無理
・高速代が高い(土日割引がきかないので下手すると2倍以上になる)
・フェリーが高い(およそ1.5〜2倍とられる)
・スタビライザーなしで120km/hとか出すとスネークする
・ドアが右側面についている

トレーラー持ってる人としての感想。

とにかくデメリットが大きい。あまりのデメリットに、やる気がどんどん失われてここ1年、ほとんど使っていない。ここまでのデメリットを背負ってやるくらいなら、普通のオートキャンプの方がマシだと思ったし、事実そうしている。ローンがあと1年で終わるが、折を見て手放すと思う。

(2015.4追記:ローン終了に伴って手放した。1年半ほど一切使わなかった。)

購入前編

牽引車

国産車ならデカいSUVを持ってないとダメ。ミニバンは重量対パワー比率がギリギリに作られている事が多いため燃費の悪化が激しいし、加速性がとにかく悪い。アルファードハイブリッドで引っ張ったら、長距離平均燃費15km/Lが8km/Lと、半分程度まで落ちてしまった。

外車だと、ダウンサイジングのターボ車など、比較的小型の車でも低速トルクがあるため、かなり良いようだ。

仲間が持ってるクルマで一番良いのを挙げると、ゴルフのツインターボあたり。ゴルフはトゥーランTSIで1300ccのだが、実はこれが最強に近いのではないだろうか。ちょい踏みでぐんぐん加速する。引っ張ってる感じがまるでしない。1500kgを引っ張って、CX-5ベタ踏みよりも良い加速。

外車というのは、こういう用途も考えているんだな、と感心した。

FFがガス仕様標準

キャブコンバンコンでは、ガソリン式が主流。現在の日本ではガス補充が絶望的だからだ。

ところがトレーラーでは最初からガス式が付いている。ガソリン式とはデザインが極端に違うため、入れ替える事は出来ず、ガス式FFが付いたまま別の箇所にガソリン式を増設する事になる。タンクも付けなくてはいけないので、見積額は40〜50万円。

価格

新車時にオプションが多いというのもキャブコンバンコンと違う点で、標準的オプションなら+70万、空調などを入れたら+200万は覚悟した方がいい。

これは、スペアタイヤ・サブバッテリー・充電システム・オーニング・換気扇・ガソリンFFといった、キャブコンバンコンなら当然付いている、最低限のものが付いていないといった問題。

キャブコンバンコンは、一昔前は基本装備だけ搭載して、他すべてをオプション化して見た目の価格を安くする手法が取られていた。が、結局様々なオプションが必要になって乗り出し価格が非常に高くなるため、最近はそういった手法で見た目安くする事はなくなった。

ところがトレーラーは未だにそれが主流であり、見た目は安く、オプション搭載でめちゃくちゃ高くなる。

トレーラーは大きな物でも新車350万以下と安いが、いざ乗り出してみると400万は軽く超えてしまい、ボイラーや70リットル程度の水タンク、エアコン等も入れると450〜500万程度になる。FFも新設したら500オーバーは確実。

この、オプションで高くなってしまう問題の原因は、ベースモデルを日本で作っていないため、ヨーロッパかアメリカの仕様しかない事が挙げられる。

ヨーロッパでトレーラーを使うようなバカンスの目的地は高地の樹林帯が多く、夏でも涼しいのでエアコンは不要、オートサイトにはすべてのインフラ設備があり(電話線まである)バッテリーすら必要ない。

なので、それに見合ったベースモデルが作られており、そのまま日本に輸入されてくるために、国内ユースではオプションを色々と付けなくてはならないというわけだ。

ちなみにトレーラーを下取りに出すと、オプション価格はあまり考慮されないので、値下がり率はキャブコンバンコンより遥かに大きくなってしまう。

エアコン搭載

キャブコンへのエアコン搭載は、室内機・室外機とも、空きスペースがあればどこにでも付けられる。

ところがトレーラーは、丈夫な面が両サイドと床だけで、前後と天井はアルミ板1枚だけのフニャフニャなので、エアコンなんて付けられない(一般的なヨーロッパ車の場合。アメ車は問題なく天井に付けられる。なおトレーラーには日本車が存在しない)。

なので、ヨーロッパ車トレーラーにセパレートエアコン(普通の家庭用エアコン)を付けた例はほとんどない。昔懐かしいウインドエアコンを付けたのが多いが、インバーターではないため、うるさいし冷えない。

保険

保険も「ヘッド車の保険が流用出来ていいですよ」って言われるけど、外資ではダメ。私の例だと、国内大手の保険で年8万円ほど。外資だと5万行かないので結構高くなる。更新手続きもネットでは出来ず、営業マンに会わないといけないので面倒。
軽自動車(保険料3万)を普段乗りにして、キャブコンを日本の保険会社に頼んだ場合(同10万)と比較すればもちろん安いけど、半額以下になるわけではない。

燃費

私はアルファード・ハイブリッドで、1.5tクラスを引っ張っている。普段の燃費は15km/Lくらい。これがトレーラー引っ張ると、同じ程度の速度(一般道60km/h、高速道80km/h)で燃費は8km/L程度となる。半分程度に落ちると覚悟すべき。
しかもこれは、ニュルニュル加速し後続車の事は一切考えない私の運転での話なので、流れだなんだ意識したらさらに落ちると思ったらいい。実際、高速を100kmで流したら5km/Lを切った。
キャブコンではここまで悪化しない。1トン車ガソリン仕様で、最近の車なら10km/L近く出る。

高速代

日本の高速道は、普通車の場合、土日休日割引がある(ETC)。これは、どんなにデカくても、普通車ナンバー(8ナンバーも普通車に含まれる)の車なら割り引かれる。キャブコン・バンコン・バスコン・モーターホームはすべて普通車登録だ。大型観光バスや10トンロングを改造し軽自動車の車庫まで内蔵した、強烈にバカデカいキャンカーでも普通車登録出来る。

ところが牽引した状態のトレーラーはどんなに小さくとも中型車扱いになり、割引がない上に中型車料金で高くなる。実際の支払額は、普通車と比較して、おおよそ1.6倍程度になる。

休日に都内から九州まで走って、11000円→17000円。

フェリー代

フェリー料金は通常、全長でなんぼ、という計算をする。一般的なキャブコンなら、5mあるいは6mの範疇に収まる。マイクロバスのバスコンで9mくらい。

ところがトレーラーは牽引した状態での長さになるため、11m、12mという、10トンロングのウィング車と同じような料金となる。

新日本海フェリーだと、新潟〜苫小牧で1mあたり3500円の追加になるので、6mキャブコンとの料金差は2万円ちょっと。

運用(準備編)

荷物積載

トレーラー側に人が乗れないのは大して痛くないが、荷物が積めないのは痛い。走行中はとにかくトレーラー側を軽くしなくてはならないため(重くするとブレーキングで引っ張られたりスネークの原因になったりして危ない)、荷物も水も一切積めない。

ヘッド車側にテーブル・イス、パラソル、タープ、その他もろもろ積んでいくと、普通のキャンプと大差ない荷物量になり、人が乗れる面積が少なくなる。

水補給

あとは水の心配だ。

タンクがポリタン1本程度しかないトレーラーならどうでもいいが、シャワー浴びれる程度に水積める車の場合、どこかで水補給が必要。だが、これが結構厄介。

キャブコンだと、家で積んでっても(燃費悪化するが)どうにかなる。トレーラーはバランスが悪くなるため現地近くで積むのだが、水道を貸してくれるところを探すのが一苦労。水道設備のついてるオートキャンプ場でもなければ、水補給だけで相当の時間と手間を要求されると覚悟すべき。

水についてもう一つ。グレータンクがない点はかなり辛い。キャブコンはグレータンク付いてるので、コンビニの駐車場でシャワー浴びる事だって出来る。が、垂れ流しが基本のトレーラーでそんな事をやったら、どんなクレームが飛んでくるか知れたものではない。
キャンプ場でも、排水設備が整っているところならいいが、ないときは自分でグレータンクを仮設置(小さいタンクを用意しておく)することになる。この排水の処理も相当に厄介だ。自分で用意出来るタンクはせいぜい20Lだが、グレータンクとして使えるのは専用のもの(3万くらいする)か、背の低いポリタンに限定。これがまず売ってない。

ガソリン補給

ガソリンも相当に厄介。軽油車なら大型トラック用のレーンで入れればいい。が、大型トラック用レーンには軽油専用の給油機が設置されているので、ガソリンが入れられない。

よって、移動中の補給はトレーラーを付けた状態で普通車のレーンに入る事になり、とても邪魔。どこかにトレーラーをデポして入れに行くのが基本となり、手間がかかる。

運用(現地編)

駐車場所

これぞトレーラーの最大のデメリットだろう。牽引免許の必要ない車種でも、ヘッド車と合わせた全長11メートルオーバー、12メートルに限りなく近くなる。

停められる場所は大型トラック用駐車場を持つ郊外の大型店や道の駅くらいだ。都市部は謂うに及ばず、地方部でもなかなか苦労する。道中で、どこかにちょっと寄って買い物、という事が、高速道のサービスエリアくらいの広さを持つ店に限られる。

バックで駐車するにはヘッド車を様々な角度に曲げてトレーラーをコントロールしなくてはならず、熟練も必要だし、スペースも大型トラックより多く必要になり、レーンがいくつか並んでいるところの真ん中にバックで入れるのは強烈に難しい。出来ない事もままある。

立体等に入れないのはキャブコンも同じなので省略。

ドアの向きが逆

意外と盲点なのが、ドアの付いてる側面。キャブコンやバンコンは、基本的に左側がドアである。日本仕様なので。

が、トレーラーやモーターホームは大陸仕様のため右側に付いている。

これはどういったところで問題になるかと言うと、オートサイトでギャレーなどがある場合、駐車スペースの左側に設置されている事が多く、有効活用するためには、前後逆に駐車しなければならない・・・といったケースなどである。

前後逆の駐車は、電動ムーバーを搭載していれば良いが、そうでない場合、かなりの重労働になる。

現地に着いたら

キャンプ地にデポしてヘッドで動き回れる、というのをメリットに挙げる人が結構多いが、現実的にそんな事はほぼ不可能だ。

トレーラーを使わずヘッド車のみで、テント泊まりを考えてみると分かるが、最初にキャンプ場にいきテントを設営してからもう一度車に乗って観光地へ向かう・・・なんて事をする人はまずいない。観光も買い物も終わらせてから、キャンプ場に行くのが普通だろう。

トレーラーを引っ張っていると邪魔なので、必ず最初にキャンプ場に行って、トレーラーを外してから観光や買い物に行くが、単に時間のロスになるし、日本の多くのキャンプ場はチェックINが15時以降とかになっているパターンが多い。
よってトレーラー引っ張ったまま移動する羽目になるか、あるいはチェックINを早めに出来るキャンプ場を選ぶ事になり、選択の幅は狭くなる。

キャンプ場にデポしたまま・・・というのも、実際にしてみるとなかなか難しい。

外に広げたテーブルや椅子などを広げたままには出来ないので、畳んでしまっておくことになる。タープも強風に煽られて飛んだらまずいから畳むし、他人がイタズラする事も考えられるから出しっぱなしには出来ず、オーニングも畳んですべて仕舞っておくのが普通だ。誰か一人残って見張りしておく・・・となったら、やり玉に上がるのはパパで間違いない。

第一、キャンプに行ってドタバタ動きまわりたいか?2泊3日で出かけたら、往復でどこかに寄るのは良いにしても、中日はキャンプ地でのんびりしたいはずだ。そういうときにヘッド車がどーんとあれば、嫁や子供があっち行きたいこっち行きたいと言い出して連れてくはめになる。キャブコンなら、荷物しまうのが大変だからねー、で終わってしまうのに。

メリットを一つ

恐らくどこのトレーラーおすすめサイトにも書いていない、トレーラーのメリットを一つだけ書いておく。

それは、使っていない時に荷物倉庫に出来るという事だ。キャンプを趣味にしていると大量の道具類に悩まされるが、それの倉庫代わりになってくれる、というのは大きなメリットではないだろうか・・。もちろん、本来の用途に使う場合には下ろさなくてはならないが。

まとめ

トレーラーは、日本で運用できるシロモノではないと思う。道中の自由度があまりに少なくなってしまい、トレーラーというガジェットに縛られる旅になる。

キャブコンならここ入れるのになぁ、と、道中の観光名所を尻目にばかりしていると、イライラが募ってしまって、まったく楽しめなくなる。

北海道のような一見広い場所でも、観光名所の駐車場はそんなに広くない。あちこち見て回りながら目的地を目指す旅には、本当に不向きな車種だと思う。