Lattice in the Lettuce

The monologue of a scientist.

エポキシの当量

別にエポキシに限った事でなくポリウレタンなんかでもそうだが、重付加(付加重合)で固まる熱硬化性樹脂と、その硬化に使う硬化剤なるものには、当量というものがある。

基本的には官能基あたりの分子量を示したもので、一般的なエポキシ樹脂だと100〜200くらいの値だ。そしてこの値は必ず、TDSに書いてあるものだ。

樹脂(主剤)と硬化剤の当量を合わせるような分量で混ぜ合わせると、本来想定されている硬化状態にもっとも近くなる可能性が高い。

なぜ曖昧な言い方をするのかと言うと、温度やら触媒やらの影響で、必ずしも想定された状態にはならないし、あまりないと思うが分子内に電荷の偏りがあって双極子モーメントが大きい状態つまり分極していた場合は溶解度の問題が出てきたりして、混合温度や方法や時間等にも影響されたりするためである。

まぁそれはともかく、当量は基本的に官能基あたりの分子量なんだから、化学構造さえ分かってればTDSなんか見なくても良いよね、なんて思っちゃう奴がテキトーな事を書く。

配合比計算

「エピコート1001の分子量は約900で平均感応基数は1.9ですからエポキシ当量は900÷1.9=474 です。」
この人は「カタログに載ってるからそれ見ろ」とも言ってるが、見なきゃいけないのはTDSの方だ。TDSにカタログ値を載せてるアホなメーカーもあるが・・。

1001のカタログ値は450〜500。なぜメーカーは、そんな曖昧な話をするんだ?と気付いた人は頭が良い。

当量は、作った時の原料のコンディションやら季節やら、作り方によって大きく変化するものだ。

エポキシ化

エポキシに絞って書く。一般的にエポキシ樹脂を作るには、元となる骨格構造末端の水酸基をエピクロルヒドリンでエポキシ化する工程がメインとなる。これを略してエピクロ法と呼ぶ。他にも過酸化物を使って直接エポキシドを生成する方法もあるが割愛。

エポキシドは反応性基なので、エポキシドを何かに付加させるには、エポキシドの活性化エネルギーよりも小さなエネルギーで付加を完了させる必要がある。じゃないとエポキシが反応して使い物にならない。

ここでよく使われるのが塩基の代表格であるクロル、つまり塩素の反応性を利用するもので、水酸基を還元してエポキシドを付加させる。ここでよく起きるのが塩素が残ってしまう異常付加で、エポキシ樹脂の片割れが塩素になってる副生成物を生じる。

塩素は炭素や酸素なんかに比べると原子量がデカいし、官能基ではないのでエポキシ当量を押し上げてしまう。

よってこの副生成物をどれくらい含むのかによって、エポキシ当量は変わる事になる。

なのでメーカーでは、作ったエポキシ樹脂を燃やして滴定して、単位重量に塩素がどれくらい残っているのかを把握して、そこから当量の修正を行ってTDSに書いている。

加えて、原料のモノマーが縮合している場合もあるから、代表的な構造が分かっていたとしても、分子量÷官能基数で当量を求めるのは無理があると分かる。

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http://d.hatena.ne.jp/lettuce_chan/20150907