Lattice in the Lettuce

The monologue of a scientist.

キャンピングカーの燃費一覧

キャンピングカーの燃費というのは、あまり知られてない事なので、書いておこうと思う。自分で体験したのはトレーラーとキャブコンとバンコン。あとはデルタリンク某店の社長や従業員に聞いた話。

良い方から順に書いてみよう。なお、車中泊仕様のクルマ(ナンバーが8以外)はキャンピングカーと呼べないので書かない。

トレーラー+ダウンサイジングターボ欧州車

燃費:12〜15km/L(ガソリン)
この組み合わせが知る限り最高の低燃費である。ダウンサイジングターボの外車、例えばVWのトゥーランTSIツインターボ。このクルマは、トレーラー引っ張るために生まれたのではないかと思ってしまうほど、牽引状態でよく走る。
まずスタートが違う。アイドル状態でもクリーピングだけでグイグイ引っ張り、アクセルを少しでも開けると図太いトルクが1.5トンオーバーのトレーラーでも無牽引と変わらぬ加速で引っ張っていく。
初めてこのタイプのヘッドに乗り換えた人は「牽引してるとは思えないフィーリング」と驚く。街乗りでもそれほど燃費悪化しないのは、ツインターボ(ターボ+スーパーチャージャーの組み合わせ)のおかげなのか。

欧州モーターホーム

燃費:10〜12km/L(ディーゼル
アドリアのようなコーチビルダーがベンツやVWのバンに架装した、マイクロバス真っ青にデカいアレは、意外と燃費が良い。高速を巡航してる最中の燃費で、市街地に入ると極端に落ちるが、それは他の車種でもあまり変わらない。とにかく、このデカいのが10km/L以上走るのか!と驚いてしまう。オマケでタンクがデカいので、余裕で1000km走れる。

国産ディーゼルキャブコン or ディーゼルバンコン

燃費:10〜12km/L(ディーゼル
輸入モーターホームと比べずいぶんコンパクトになるが、燃費はだいたい同程度。4WDだともう少し落ちる。2000年以前は、このタイプが結構多かったというか、キャブコンといえばディーゼルが当たり前だった。車幅がワイドのデカいのは概ね4000ノンターボのトラックが多く、ナローだと3000DTのH100系ハイエースベース車がちらほら。EFIじゃないタウンエースの2000DTはあんまりパワーがないので10km/Lまで伸びなかった。現在はほぼ消えてしまった。

アメ車モーターホーム

燃費:8〜10km/L(ガソリン)
排気量が5000ccを軽くオーバーするアメ車クラスA,Cもしくは欧州車の通称フルコン、観光バスを凌駕するサイズの物もある。さぞかし燃費悪いんだろうと思いがちだが、しかし意外とこれも燃費が良い(サイズの割には)。
やはり、高速を100km/h巡航した場合の話で、市街地では2〜4km/Lと半分以下に悪化する。ようは回転数のアップダウンに弱いようだ。
同じような事が発電機でも言える。マリンでよく見るMANのジェネレーターは、定負荷で回しておくとホンダやヤマハの発電機より燃費は良い。
余談だが、アメ車はクラスCでもクラスAよりデカいのもあるので、ケツだけ見て判断すると間違いやすい。

トレーラー+国産ディーゼル

燃費:7〜10km/L(ディーゼル
CX-5等のディーゼル車は、ダウンサイジングターボの欧州車に比べかなり落ちる。ガソリン車と比べ出足は悪くないものの、中速域から伸びなくなり、高速域になると「あ〜重いもん引っ張ってるなぁ」という体感になっていく。

国産バスコン

燃費:6〜8km/L(ディーゼル
同じ車格の欧州モーターホームと比べ、なんでこんなに燃費悪いんだろう?と不思議に思うのがマイクロバスのバスコン。エンジン音もガラガラうるさい。ちなみにバスコンの最大のメリットは「長く乗れる事」。20年、50万キロ乗っても屁でもない。トレーラーより長持ちするのはバスコンくらいだ。欧州車が10万キロ持たずに致命的な箇所がブッ壊れるのと対照的。キャブコンは、ベース車はともかくキャビン部分がFRPなので20年はキツイ。
なお、ごくたまにある胴体をぶった切ったショートのバスコンは10km/L近く走るらしい。一方でガソリン仕様のバスは3km/Lを切る事もあるという。

国産バンコン

燃費:5〜8km(ガソリン)
いわゆるH200系ハイエースのバンコン、特にショートのマイクロバス並みにデカいワイドスーパーロングを架装したアレはかなり燃費が悪く5km/L程度。ワイドミドルやナローボディは多少良くなるものの、H100系(1KZエンジン)のディーゼルほどにはならない。最近の6速ATはかなり高速での燃費が改善されており、8km/L近く出るのはそのタイプ(ナローの標準orミドルだけ)。以前の4速ATは良くて6km/L程度。マイナーチェンジのたびになんだかんだで燃費改善してるようなので、買うなら新車の方がいい。

トレーラー+国産ガソリン車(ハイブリッド含む)

燃費:4〜8km/L(ガソリン)
国産ガソリン車、ハイブリッド車は、車重による影響が大変激しくトルクも小さく、重い物を引っ張るとまるで加速しなくなる。ダウンサイジングターボ欧州車と対極にあるクルマだ。あまり負荷をかけることを想定していないのだろう。
特に酷いのはミラーサイクルエンジン(トヨタアトキンソンサイクルとか呼んでるが)を使うのが当たり前になっているハイブリッド車で、出足はモーターで引っ張るためまぁまぁ良いものの、加速域ではエンジンのトルクのなさが酷く、悲惨な燃費になってしまう。
私はアルファードハイブリッドで1.5トンのトレーラーを引っ張って高速燃費4km/Lを叩き出し、落胆してトレーラーを売った。単体では15km/L出るというのに。

国産キャブコン

燃費:4〜6km/L(ガソリン)
燃費で最悪なのは、2000ccクラスの1トン車に架装した、最近のコンパクトなキャブコンだ。元々強烈に非力なエンジンに強烈な架装を施すため、ベタ踏みで100km/hまで加速出来ないようなシロモノも多い。車名をちょっと忘れたが、かつてあった家庭用エアコン搭載、160Lクラスの水タンク搭載とかいう装備の凄さが売りだったキャブコンはベタ踏み80km/hだったとか。

まとめ

欧州車・アメ車がキャンピングカーに向いているのは、トルクフルな点にある。家が丸ごと走っているに等しいキャンピングカーでは、低速域のトルクがとにかく大きくないと辛い。
欧州車は小排気量をターボやスーパーチャージャー等で補い、アメ車はデカい排気量で補ってトルクを出しているため、低回転域のレシオが日本車とは根本的に違う。

一般に日本車エンジンは、常用回転域での燃費特性よりも、全回転域においてフラットな特性を出せるようにしている物を多く感じる。これはスタート・ストップの多い日本の交通事情に配慮しているものだ。こういったエンジンは、低回転・定回転でクルージングする用途(外車は低回転時のトルクを使ってクルージングする)にはまったく向いておらず、そういった用途に特化している外車には、手も足も出なくなってしまう。

加えて、以前はトルクフルなディーゼルのラインナップがそれなりにあったものを、的外れな法律改正のせいでディーゼル自体を悪者にしてしまい、市場から消し去ってしまった(悪いのは数十年変わっていない低品質な精製基準と、三菱自動車のような環境を一切考えない悪徳企業であって、ディーゼルではない)。

国内でのダウンサイジングターボ車は、最近ようやく一部メーカーが目を向け始めたが、国内メーカーが非力な自然過給に拘り続けたのは、自動車保険と関係があるためなのか?(軽自動車以外のターボ車はスポーツカー扱いとするバカ保険が多く、料率が強烈に上がって高くなる)。

とにかく、現状において、キャンピングカーの燃費を気にするならば、国産車は諦めるべきだ。トゥーランTSIやベンツのDTなど電装系がアレなため、登録後5年以降はあっちこっちブッ壊れて修理費は高くつくので、あまりオススメ出来るものではないが。

将来的には日本車でも、シリーズハイブリッドによってトルクが確保され、定回転で低燃費なエンジンを搭載したものが増えてくると思う。が、それは随分先の話である。