Lattice in the Lettuce

The monologue of a scientist.

4月発表の携帯各社料金の予想 完全分離でどう「高くなるか」

今国会に提出された「電気通信事業法の一部を改正する法律案」。3月中は間に合わないので4月に審議して5月に通るだろうという見方が一般的。その後、政令省令を作って8月か9月に施行される見通し。これで、例えばdocomoの料金プランはどう変わるか?

◆通話料金
5分定額  1700円
完全定額 2700円

◆パケット料金
1GB  1700円
3GB  5500円
20GB 6500円
30GB 7500円

こんな感じになるように思う。全然変わってないじゃないか、と思われるかもしれないが、その通りだ。そんなにガラっと変えられるわけがない。これに端末代金を乗せたら激高になる・・・と思われるはずだが、そこは上手く回避してくるはず。それについて述べてみたい。


国の方針

法改正の要点を箇条書きにすると、

  • 「端末の購入を条件とする通信料金の割引禁止」
  • 「通信契約の一定期間の継続利用を条件とした、端末代金の割引禁止」
  • 「販売店は全部国に届け出が必要」

ようは、端末と料金の抱き合わせ販売で割引することを禁止にするとともに、販売店が独自にやった等と言い訳出来ないようにもする、という感じ。ここの抜け道は、「抱き合わせ販売は駄目」という点にあるように思う。逆に捉えれば、

  • 「端末の購入を条件にしないなら、通信料金割引OK」
  • 「通信契約の一定期間の継続利用を条件とした、通信料金の割引はOK」

ということになる。ここが抜け道になるだろう。


実質的に「安くなる事はありえない」

国や総務省の方針に両手を上げて従ってたら大損になってしまうので、安くするということはありえない。問題は、どうやって高くするか、である。

4割安くなるプランの新設?

まず、菅が言い放った「4割安くなる」への対応。お国の方針には逆らいませんよ、というパフォーマンスは必要だが、実質これは行わないのではないかと思う。もちろん、段階的課金プランで最低料金を下げてくる可能性はなくはない。が、後に述べる方法で通信料金を見かけ上、安くすることが出来るので、特に対応する必要はないかもしれない。


抱き合わせ販売NGなら、抱き合わせ「利用」はどうだ?

ここが、端末代金を値引くカラクリになる。ようは、特定の端末を利用したら通信料金が安くなる、というふうに変更すれば良い。販売ではなく、利用・使用だ。

端末は1~2割引で普通に買わせる。そして端末のIMEIを記録しておいて、そのIMEIからの利用料金を2~4年限定で4割引にし、2~4年使ったら実質0円になる。

もちろん一度契約を切ったり、他の機種に変更した場合は、料金割引終了になるし、他の端末を使った場合は一切割引されなくする。


販売でなく利用で回避出来るザル法

法律の要点は、建前上の販売を前提にしている。法律案にも次のように書かれている。
総務省|国会提出法案

その移動電気通信役務の提供を受けるために必要な移動端末設備となる電気通信設備の販売等に関する契約の締結に際し、利用者に対し、電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがある利益の提供を約し、又は第三者に約させること。(をしてはならない)

これは「販売すること自体」を割引の条件にしてはならない、という意味なので、「定価で別途買った端末の使用・利用を前提にする」ということであれば良いことになる。もちろん、実質的には「販売」を前提にしているものの、契約上は「利用・使用」を前提にしているので、法律を回避出来てしまう。
キャリアの販売員にも「この端末買えば安くなりますよ」という謳い文句をNGにして「この端末を利用すれば安くなりますよ」と言うように指導する。これで回避出来るザル法なのだ。


解約金以外での縛り

現在は、2年なり4年使わないと違約金が発生する。最低利用期間1年などというのもある。これが出来なくなるので、別の事で縛らなくてはならない。そこで先程のIMEI作戦だ。

一度でも解約したり、他機種に乗り換えれば、1~2割引で買った端末が「ゴミになる(通信料金割引されない端末になる)」

という事であれば、簡単には解約しないだろう。それこそ大損だからだ。
加えて、中古端末市場の活性化も避けられる。中古で買った端末では割引が効かないのだから、MVNOで使う以外はまったくのゴミになるし、キャリアで買った端末を売ろうとする人間も減らせるし、一石二鳥だ。


IMEI縛りはSoftbankがすでにやっている

IMEIで縛る、という手法は、SoftbankAndroidスマホですでに行っているものだ。契約時以外の端末を使うと料金が高くなるのではなく、パケット通信自体が出来ない。docomoがこれをそのままやったら総務省が黙っていないだろうが、通信料金割引を効かなくするくらいであれば、当面はお目溢しして貰えるだろう。


完全分離で逆に高くなるのは間違いない

こうしたシステムの新規導入に関わる費用も上乗せされるだろうから、安くなるということはまず100%ありえない。普通に契約したら1~2割高くなるだろう。そして、上記に述べたシステムによって、現在のシステムが上書きされるだけになり、実質的には何も変化しないはずだ。一括0円が出来なくなる程度か。

以上の事は私が適当に考えただけのもので、キャリアの内部情報などではない。が、あの法案の文面を見たらパッと思いつく内容である。
法律には常に抜け道が用意されている。法案作った奴もこんなことは重々承知の上でやっている。所詮出来レースでしかない。