Lattice in the Lettuce

The monologue of a scientist.

エセ科学 動物は曲がるときに横Gを出さない

コロナに罹ったようで、自宅待機になった。せっかくの機会なので見識を広げようといろんなものを読んでいるが、何かやたらとエセ科学な記事が目立つなぁと感じた。

kunisawa.net

この国沢という人の記事は、タイトルでミスリードして稼いでる気がしてあまり好きにはなれないが、またしてもそんな気がする。
コメントで「座標系が異なるからだろう」とツッコミが多数挙がっている。

思うに、この国沢さんは、

二輪などバンク可能な車体のとある一点においてのみ、理想状態にある時には、横Gは発生しない

と書くべきだろう。

まず、絶対座標系では移動体がなんであろうが横Gは発生する。これが発生しなければ遠心力が存在しないというトンデモ論になるからだ。
次に、車体の座標系でも、重心をどこに持ってくるかで議論は変化する。重心位置が理想からちょっとでも上にズレたら、やはり横Gは出る。バイクでも路面状況が悪くバンク角を浅くしてしまって、遠心力に持っていかれて事故る事は往々にしてある。

国沢さんは、「動物は」と書いて、シカのように左右の脚を一直線に並べられそうな(実際はそんなことはないが)動物を想像しているのではないだろうか。ではクマはどうだろう?外側の脚と内側の脚で接地圧も違うし、4輪駆動と同じではないか。

モーターボートを例に出しているが、モーターボートが横滑りせずにコーナリングしているところなど見たことがない。

「横Gを出さない」は恐ろしく主観的なエセ科学だと思う。